地方債 個別要因 定性分析

1.経済成長力・景気動向・産業構造

・域内の産業構成を把握する

    製造業中心:景気の煽りを受けやすい

    公共事業中心:景気の煽りは受けにくいが、中央政府を含めた財政再建を背景とした公共投資縮小  

                              の流れからなかなか域内景気は浮揚しにくい。

・主要企業の経営状況分析:域内景気や雇用情勢の安定性を評価するため

 

2.人口動態・1人あたり所得水準・地価の動向

・人口増加率と経済成長率は一般的に順相関。特に年齢構成が偏っていない場合は税収基盤は厚くな

    る。ただし人口増加が急激だった場合は、インフラ整備による財政負担が、整備が一定程度整うま

    で発生するケースもある。

 

・人口動態は流入、流出の状況、年齢構成、就労率、就学率などの統計に着目する。少子高齢化が進む日本においては、生産年齢人口と非生産年齢人口の割合が重要。高齢化は扶助費の増加および住民税減少の可能性を示唆する。1人あたり所得、所得分布の分散なども課税所得の観点から注目に値する。

 

・地価の動向なども地域経済の状況の影響の観点のみならず、地方財政にとっては、固定資産税や都市計画税などにある程度影響を及ぼすという観点から注目される。

 

3.担税力の観点における分析のウェイト

 

都道府県:景気動向や産業構造(景気の影響を受けやすい法人関係二税【都道府県民税(法人分)と事業税(法人分)】の割合が高い。)

市町村:人口動態、地価(景気への感応度が相対的に低い固定資産税と市町村民税【個人分】の割合が高い。)